技術講演会(16/06/21) [終了]

イベント, 群馬大学アナログ集積回路研究会共催

  • 日時:2016年06月21日(火) 12:40~14:40
  • 会場:群馬大学理工学部(桐生キャンパス)3号館509号室(E大教室)
    交通アクセス / 桐生キャンパス案内図
  • 講演概要「OPAMP安定性設計の古くて新しい方法」
    源代 裕治 氏(ザインエレクトロニクス株式会社)
  • 参加費:無料


本講義は初学者を対象にOPAMPの安定性設計手法を扱う。標準的な内容はカバーするが、特徴はNyquist線図を積極的に活用する所にある。

OPAMPの安定性は、その出現当初から良く認識されていた重要項目である。現在ではBode線図を用いる手法が確立しているが、そこに至るまでには先人達の多くの試行錯誤があったと想像される。

実際、安定性設計は理論的にも実務的にも難しい問題である。安定性を主題とする論文は、現在でも発表され続けている。設計実務でこの問題に遭遇したとき、教科書をざっと読み返した位では解決できない事も多い。

色々と試みた中で我々は、Bode線図よりNyquist線図の方が、安定問題に対する洞察が得やすい事を経験した。その後Bodeの教科書に触れる機会があり、彼自身安定性の議論にNyqiust線図を多用していることを知った。Bode線図やNyquist線図という呼称は、後世の命名に違いない。

Bode線図とNyquist線図は、同じデータを異なった形で図示したものである。どちらも同じ情報を表しているのであるが、見かけの違いは大きい。例えば回路定数を変えながらBode線図の変化を調べている時、位相を回さずにゲインだけ落とせたら楽なのに、と思えることはしばしばあった。それが容易でないことは、教科書にゲイン変化と位相変化の関係として説明されているが、Bode線図でそのままは見えない制約である。一方Nyquist線図では図そのものに必然的に含まれるので、別途制約を課す必要はない。そのおかげで、回路定数の変更が安定性にどのように効くのかを、図的に把握しやすくなるのである。

本講義に特別な予備知識は不要であろう。Laplace変換は常識的な範囲を用いる。もし複素平面上で四則演算がどのような図的解釈になるか忘れているようなら復習しておいて欲しい。特に逆数がどのような図的処理であるかをイメージできると、Nyquist線図の解釈が楽になる。

安定性という現実問題に、回路と理論が絡み合いながら対処して行く様を、楽しんで観賞して頂きたい。


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