第397回 群馬大学アナログ集積回路研究会 (19/11/19) [終了]

イベント, 群馬大学アナログ集積回路研究会共催

  • 日時:2019年11月19日(火) 16:00 – 17:30
  • 会場:群馬大学理工学部(桐生キャンパス) 3号館509号室(E大教室)
    交通アクセス / 桐生キャンパス案内図
  • 講演題目 「トランジスタとその回路 ~勝手違いに手を焼きながらも、真空管の経験は生きた~」
    源代裕治 先生(ザインエレクトロニクス)
  • 参加費:無料
  • 本講演はお申し込み不要でございます。
    参加を希望される方は、当日会場へお越しください。


源代先生からのメッセージ:

技術は変化する。電気のように長い歴史がある分野でも、ずっと変化し続けてきた。現在の技術も完成したものではない。将来のことは分らないが、過去の技術を振り返って現在の視点から眺めてみると、未来を照らす知恵ともなろう。以て、偉大な先人たちの苦闘を偲び、困難な問題に立ち向かう勇気となさん。私の担当分5回分の講義では、このような趣旨で、回路の歴史を現在に繋がる視点から散策しようと思う。良く知っていると思っていることも違う方向から眺めると、きっと楽しい発見がある(といいな)。

各回の大まかなテーマを記す。回路を鑑賞するのに必要な回路理論は、授業ではめったに学ばないので、その素養をざっくりと養ってから、概ね時代順に、能動素子に応じて工夫された回路を味わって行こうと思う。回路方程式は殆ど使わない。式を使って分かることも重要だが、式がない方が良く分かることも多いのである。その代わりにシミュレーションなど当時は使えなかったツールも、使えるものは躊躇なく使う。

* * * * *

前回途中になった真空管回路の説明と、そのLTspiceによる検討を済ませてから、この回では、バイポーラトランジスタ回路を見て行きます。

真空管は電圧電流変換素子(gm素子)であったのに対し、バイポーラトランジスタは電流電流変換素子である点が特徴です。さらに温度依存も大きいことで、動作点を決めるバイアス回路を大きく変える必要が出てきました。様々な試みがあって、生き残った一つの方式が現在IC回路で標準的に用いられる回路になりました。

一方、真空管時代に現在に繋がる回路と理論の多くが既に発明されていたことは注目すべきです。それらは真空管以前には存在の必要がなかったものですから、完成形がどのようになるかは予見できませんでした。沢山の優秀な人たちが、試行錯誤しながら開拓していったものなのです。

それで、トランジスタが登場した時には、真空管回路というお手本があり、理論もどこを変えれば良いかという見当が直ぐに付きました。また、真空管では開拓する必要があった市場も、既に存在していました。トランジスタが真空管に急速に置き替わって行ったのは、素子としての優位性があったからばかりではないのです。

なお、これまで3回の説明の理解度を評価するため、授業の最初に簡単な演習問題を解いてもらおうと思います。理解の向上にも有用だろうと期待しています。


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