第398回 群馬大学アナログ集積回路研究会 (19/11/26)

イベント, 群馬大学アナログ集積回路研究会共催

  • 日時:2019年11月26日(火) 16:00 – 17:30
  • 会場:群馬大学理工学部(桐生キャンパス) 3号館509号室(E大教室)
    交通アクセス / 桐生キャンパス案内図
  • 講演題目 「MOSトランジスタとIC ~差動対+カレントミラー≒IC / 真空管時代は50年、ではCMOS時代は~」
    源代裕治 先生(ザインエレクトロニクス)
  • 参加費:無料
  • 本講演はお申し込み不要でございます。
    参加を希望される方は、当日会場へお越しください。


源代先生からのメッセージ:

技術は変化する。電気のように長い歴史がある分野でも、ずっと変化し続けてきた。現在の技術も完成したものではない。将来のことは分らないが、過去の技術を振り返って現在の視点から眺めてみると、未来を照らす知恵ともなろう。以て、偉大な先人たちの苦闘を偲び、困難な問題に立ち向かう勇気となさん。私の担当分5回分の講義では、このような趣旨で、回路の歴史を現在に繋がる視点から散策しようと思う。良く知っていると思っていることも違う方向から眺めると、きっと楽しい発見がある(といいな)。

各回の大まかなテーマを記す。回路を鑑賞するのに必要な回路理論は、授業ではめったに学ばないので、その素養をざっくりと養ってから、概ね時代順に、能動素子に応じて工夫された回路を味わって行こうと思う。回路方程式は殆ど使わない。式を使って分かることも重要だが、式がない方が良く分かることも多いのである。その代わりにシミュレーションなど当時は使えなかったツールも、使えるものは躊躇なく使う。

* * * * *

源代担当分最終回では、IC時代になって何が変わったかを見て行きます。

初期のICはバイポーラで作られました。カレントミラーは、この時に登場します。個別素子の時代に苦労したバイアス回路方式ですが、カレントミラーが決定版となり、他の方法を駆逐することになります。

一方の差動対ですが、これは真空管時代の発明です。しかしIC時代になるまで広く用いられることはありませんでした。高価な真空管を2倍使うからです。IC化によるパラダイムシフトです。

トランジスタの登場と期を同じくして登場したコンピュータが、元々高価でICが幾ら微細化しても、コストが下がった分以上に需要が増えるという市場になりました。

MOSトランジスタは真空管以来のgm素子です。その実用化は、ICの登場と時期が重なります。回路から見るとこの素子は、gmが小さいやらノイズが大きいやらで、バイポーラから移行する意義が見い出せられないのですが、ディジタル回路と同じプロセスで作るというメリットが、何より大きいモチベーションになってCMOS化が進みました。

CMOSに適した回路形式が工夫されてくると、微細化のメリットが享受できてバイポーラではとても及ばない性能も実現されるようになっています。

微細化には膨大な投資が必要ですが、これを正当化してきたのがIC初期の1965年に提唱されたMooreの法則です。1990年頃にはもう限界かも、と言われていましたが、それから30年間ずっと限界説が唱えられています。いつかはCMOS時代の終わりが来るにしろ、エンジニアは、その状況変化に適応して行くだけのことでしょう。

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